【Application Note】解糖の抑制 - 代謝調節が神経幹細胞の運命に及ぼす影響

Agilent_application-glycolytic-suppression_fig_s細胞の代謝は、幹細胞研究において重要な因⼦として浮上しており、最近の報告では、代謝の状態と細胞培養条件の両⽅が幹細胞の分化軌道を⼤きく変化させること
が⽰唆されています。

Agilent Seahorse XF テクノロジーでは、細胞分化軸に沿った解糖およびミトコンドリア機能をリアルタイムに測定することができます。分化実験のデザインにおいて代謝環境を変化させることで、代謝プロファイリングを細胞機能の探索に組み込むことができ、さらに重要なこととして、分化の結果の改善を導くことができます。

ここでは、解離してin vitro 培養を⾏ったヒト⽪膚線維芽細胞由来iPSC を⽤い、神経前駆細胞(NPC) へ
と分化する間のiPSC の代謝プロファイリングを連続して⾏うためのアッセイデザインを紹介します。その結果、幹細胞の分化過程における代謝の調節が、幹細胞の特徴や最終的な分化細胞の収量や質に影響を与えることが⽰唆されました。このデザインは、代謝の状態と分化の相互関係をよりよく理解するために適⽤でき、したがって、改良された分化プロトコルの開発が可能になります。

近年、代替炭素源を⽤いて、細胞系列の仕様決定を開始する特定の代謝経路を促進することが研究されています。例えば、培地中の代替炭素源としてグルコースをガラクトースに切り替えると、酸化的リン酸化が促進され、その結果、最終的に細胞の運命決定を導く分化特異的経路が形成されます。ここでは、Seahorse XF ミトストレステストとSeahorse XF Glycolytic Rate アッセイを⽤いて、ミトコンドリア機能と解糖機能の両⽅を測定することにより、代替炭素源を使⽤して仕様を決定するための代謝促進因⼦を神経細胞系列について評価しました。

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