【Application Note】タンパク質の構造変化のin-situ検出と特性評価において、MMSはCD分光法をいかに超えるか

RedShift_AN-850-0140_fig_sマイクロ流体変調分光法は、⼆次構造解析のための頑健で⾼感度なツールであることが証明されています。⼆次構造を決定するために頻繁に⽤いられるもう⼀つの解析法は、円⼆⾊性(CD) 分光法です。このアプリケーションノートでは、⽣物学的に関連性の⾼いタンパク質の例を⽤いて、⼆次構造解析におけるMMS とCD のパフォーマンスを調査しました。


調査したタンパク質( 以降「タンパク質X」と呼ぶ) の⽣物学的機能は、濃度の変化によって変化することが知られています。希釈状態( 〜1mg/mL) では単量体として作⽤しますが、⾼濃度( 〜80mg/mL) ではオリゴマー化して集団的に機能します。さらに、タンパク質X は βシートに富み、unordered テイル(tail) を持つことが知られており、このテイルがオリゴマー化メカニズムに伴う再構成において重要な役割を果たすと提唱されています。この研究では、0.8 から80 mg/mL の異なる濃度のタンパク質X を、MMS とCD 分光法を⽤いて測定し、2 つの⽅法から得られる⼆次構造解析を⽐較しました。

この研究により、MMS スペクトルはタンパク質のわずかな構造変化の⾼感度なレポーターとして使⽤できることが⽰されました。タンパク質X のオリゴマー化は、タンパク質の局所的な構造変化によって引き起こされると以前に提唱されていましたが、これは今回のMMS の結果と⼀致していました。一方、CD 分光法は、タンパク質X のオリゴマー化の例のようなβシートの割合がかなり⾼いタンパク質に対して、現実的なHOS予測を提供するのに⾮常に苦戦していることが強調されました。

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