アッセイに最適なqPCRプローブ選択ガイド

LNAMGBBHQplusのどれを選ぶか決める際、ガイドとして、本ブログ資料をぜひ参考にしてください

qPCRプローブにはさまざまなケミストリーが用意されているため、科学者はアッセイ開発において豊富な選択肢があります。ロックド核酸(LNA)やマイナーグルーブバインダー(MGB)、BHQplus™ プローブのどれもが二本鎖の安定性を高めるため、プローブ長が短くても高いS/N比(シグナル対ノイズ比)のアッセイが可能です。また、A-Tリッチ配列などの難しいターゲットにも対応できます。しかし、各プローブタイプには独自の化学的性質があるため、プローブタイプをあなたのアプリケーションに適合させることで、S/N比や検出限界(LOD)などにおいて最高のアッセイ性能を得ることができます。

MGBプローブはSNPやA-Tリッチな配列などの難しい遺伝子発現ターゲットの検出に適しています

MGBプローブとは?
MGBプローブは5’末端に蛍光色素、3’末端にクエンチャーを持つ、通常8-30塩基長のプローブです。また、3′末端には、MGBという、二本鎖DNAのマイナーグルーブに非共有結合する化学部位も結合しています。

MGB_probe_with_EDQ_illustrationMGBプローブはどのように機能しますか?

MGBプローブでは、プローブ-ターゲットの構造のマイナーグルーブにMGBが結合することで、二本鎖の安定性が向上します。

図1. MGBプローブは、MGB部分に結合した5’蛍光レポーター色素と               
3’EclipseDarkクエンチャー(EDQ)からなる二重標識5′加水分解プローブです。

MGBプローブはどんな用途に最適ですか? どんな場合に使用すべきですか?
MGB部位がオリゴの末端に付加されているため、設計は容易で、ターゲット領域に相補的なオリゴ配列を使用するだけです。このため、MGBプローブはSNPの検出や、A-Tリッチな配列などの難しい遺伝子発現ターゲットの検出に最適です。

ただし、設計は単純ですが、融解温度(Tm値)は微調整できません。




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LNAプローブは、高い特異性と感度を必要とするアプリケーションに最適です

LNAとは?
LNAは架橋型核酸とも知られ、五炭糖の2’位の酸素原子と4’位の炭素原子がメチレンブリッジで共有結合した修飾塩基です。

A

Unmodified DNA

LNAを含むプローブはどのように機能しますか?
未修飾モノマーの代わりに1つ以上のLNAを用いると、プローブ-ターゲットの二本鎖の安定性が向上します。

二本鎖の安定性は、用いるLNAの数やプローブ内のLNAの位置など、さまざまな要因に起因します。そのため、LNAプローブの設計を微調整することで、希望するレベルの特異性と安定性を得ることができます。


B

Locked nucleid acid - LNA

LNAプローブはどんな用途に最適ですか?
どんな場合に使用すべきですか?

設計はMGBプローブよりやや複雑で、性能とTm値を微調整するために設計試験を繰り返す必要はありますが、LNAプローブは非標的配列に対してより優れた特異性と識別性をもたらすことができます。

これらは、高い特異性が求められるアプリケーションに最適です。

図2. A)非修飾ヌクレオチド、B)ロックド核酸修飾

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LGC Biosearch Technologies社では、LNAプローブの提供に加えて、内部にLNA修飾したカスタムオリゴの合成も行っています。


 

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BHQplusプローブは、高い特異性と感度を必要とするアプリケーションのための代替オプションです

BHQplusプローブとは?
LNAプローブと同様に、BHQplusプローブも化学修飾されたモノマーを利用して、プローブ-ターゲット二本鎖の安定性と特異性を高めます。
しかし、BHQplusプローブで使われている独自の化学的性質はLNAと異なるため、プローブケミストリーに別の選択肢をもたらします。

BHQplusプローブはどのように機能しますか?

BHQplus_probe個々の BHQplus モノマーにおける化学修飾は、プローブ-ターゲットの二本鎖を安定化させます。これにより、未修飾モノマーでつくられたプローブと比較して、感度と特異性が向上した短いプローブの設計を可能にします。


図3. BHQplusプローブは、
修飾ヌクレオチドを
用いることで
安定性を高めます。特異性を
高め、ミスマッチ識別を改善するために、
より短く(15-25塩基)
設計されます。          

BHQplusプローブはどんな用途に最適ですか? どんな場合に使用すべきですか?
LNAプローブと同様に、BHQplusプローブは、高い感度と特異性を必要とするアプリケーションに最適です。LNAプローブ技術に代わる、設計が容易で価格競争力のあるプローブであり、プローブ性能を微調整する必要がない場合に適した選択肢です。


 

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プローブケミストリーを優れた選択肢から選ぶ
各プローブの特長・利点を中心にご紹介してきましたが、重複する部分も多く、アッセイ開発中に各タイプのプローブを試験的に使用されることをお勧めします。
どのプローブがアッセイに適しているか、ご不明な場合、判定ツールもお試しください。他のプローブも含めて判定可能です。


 

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信頼されるオリゴサプライヤー
どのプローブフォーマットをお選びいただいても、LGC Biosearch Technologies社はお客様のニーズに的確にお応えし、他のどのオリゴサプライヤーよりも多くのカスタム修飾を、競争力のある価格で提供いたします。

LGC Biosearch Technologies社では複数の拠点でオリゴ製造を行い、独自の垂直統合を行っています。つまり、オリゴ合成に使用される重要な原料のほとんどを、同社の化学品製造ラボで生産しています。これにより、安定・安全・高品質なサプライチェーンが保証されます。


Originally published : 2023/05/09 

 

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