【Application Note】マイクロ流体変調分光法によるアミロイド形成性免疫グロブリンG軽鎖および可変鎖の特性評価
免疫グロブリンG (IgG) 糖タンパク質は、⽩⾎球で産⽣され、ヒト⾎清中に最も多く存在するタンパク質です。IgGは2本の重鎖と2本の軽鎖 (LC) から構成されています。LCは約215個のアミノ酸からなり、主にβシートからなる可変ドメイン (VL) と定常ドメイン (CL) の2つのドメインで構成されています。ある種の病態では、⼀部の IgG LC が過剰に発現し、ミスフォールドしていることがあります。
軽鎖アミロイドーシスは、アミロイドと呼ばれる、軽鎖のミスフォールドした凝集体が細胞外に沈着して起こる、全⾝性アミロイドーシスの中で最も多い⽣命を脅かす疾患です。すべての軽鎖は同じフォールドを持っていますが、⼀部のアイソフォームだけが凝集しやすく、アミロイドーシスに⾄ります。可溶性LCが線維性凝集体に変換されるメカニズムは解明されていませんが、本来の構造を不安定にすることで凝集が促進されると考えられています。アミロイドーシス患者から発⾒されたLCの構造的な特性を明らかにすることは、凝集メカニズムの解明に役⽴ち、治療法に関する⾒識を与えます。
本研究では、疾患のない⽣殖細胞由来のIgG軽鎖(GL 、⾮アミロイド形成性)、多発性⾻髄腫患者(MM 、アミロイド形成性の可能性)、アミロイドーシス患者(AL 、アミロイド形成性) から得られた全⻑LCと単離した可変ドメインを、マイクロ流体変調分光法(MMS) を⽤いてテストし、⼆次構造の違いとHOS組成を決定しました。MMSは定量的なHOSの特性評価と、アミロイド形成タンパク質の研究に重要な、平行βシートと凝集しやすい逆平行βシート構造を区別する能⼒を提供しました。
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